お師匠様

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「大丈夫だよ。痛くない縄とかあるんだよ」 なにそれ。 「それに、痛さよりも気持ちよさが先にくるから!」 おい。縛られた経験もあるのか? 「官能的って思うなら、見慣れてくれば気にならなくなるはずだよ。 もう一回はじめから見てみよう」 といいながら、またはじめからスタートされる花と蛇。 「ほら。このあたりとか」 「……」 「これもいいよね!」 「……」 「これまた最高!」 1人興奮しているお客さんの顔と本を交互に見るワタクシ。 このあたりから、ワタクシの長所が顔を出し始める。 「……確かにいいかも」 “環境適応能力の高さ” 事、変態に関しては特にその長所が発揮される。 ワタクシ、花と蛇2巡目にして目と感性が慣れてしまった。 なんだか美しいものを見ているような感覚にさえ襲われる。 人のたくさんいるキャバクラで、ハードなSM写真集を読みふける二人。 ワタクシ達の席はカオスラウンジ織姫よりカオスな場所へと化していた。
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