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「あっちい……」
久しぶりに陸に上がったおれの第一声がそれだった。
船に揺られて一日半。
おれは五大陸の一つ、南カリメコ大陸へとやってきたのだ。
湿気を含んだ空気に容赦なく太陽が照りつけ、蒸し上げられる。
額を拭ったが、またすぐじわりと汗が滲んだ。
「どいたどいたー!」
「おう!?」
屈強な船乗りたちが積み荷を担いで駆け回る。
日によく焼けた小麦色の肌が覆うごつい身体は、筋肉が隆起してさらにごつい。
一秒でも惜しいという勢いで、桟橋と船を往復していた。
見てるこっちが気持ちよくなるくらいの働き者たちである。
おれがここに居ても邪魔になるだけだな、さっさと去るか。
「乗っけてくれてありがとな。仕事がんばってくれ」
「おう、あんちゃんも道中気をつけろよ。ってあんちゃんにはいらん心配か」
豪快にガハハと笑う海の男たちに手を振って別れると、港から少し入った露店通りへと歩いていった。
船にぎゅう詰めだったもんだから、身体に鈍りを感じる。
散歩がてらの探索は固まった身体をほぐすのには丁度よかった。
露店通りは非常に賑やかだ。
まあそれはどこも似たようなもんなんだろうがよ。
南カリメコの露店は一目見てとっても彩色豊かだと感じられた。
その印象は南国特有の色とりどりの果物に起因しているみたいだ。
初めて目にする果物ばかりで、色だけでなく形もバリエーションに富んでいる。
そのうちの二割ほどは見た目からじゃどうやって食うのかわからないものだった。
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