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適性試験の翌日から二日間は、休みとなる。
魔力は案の定、全くなかったが、
後は、まずまずだと、自負している。
同室のエリンより、魔力では敵わないが、
後は全て、わたしの方が上だったと思う。
結果に満足して、心地よい眠りを貪っていた。
「リリー! リリー!」
枕元で、騒がしい。
目を開けると、間近に顔があった。
ベッドに手を付き、彼女が覗き込んでいる。
「もうちょっと寝かせて」
眠そうに、むにゃむにゃと言った。
が、
彼女ときたら、気にした様子が全くなかった。
いやに楽しげな表情を浮かべた顔を向けている。
「リリー、
ねぇ、ショッピングモールがあるんだって、
いこうよ!
せっかく、試験も終わったんだから、
ねぇ、遊ぼうよ」
「うん。
せっかく、試験が終わったんだから、寝かせて。
それに、起きたら、予習するんだから」
「リリーのけち!
付き合ってくれても、いいじゃない!」
エリンは、そう言いながら、わたしを揺する。
どうあっても、引かないらしい。
「わかったから、後、三十分は待ってよ。
それは譲れないわ」
「リリー、大好き」
わたしは、結局、
エリンに付き合って、出掛けた。
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