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――フフフ
少女がビルの屋上から2メートル程の空中で、
不敵に笑う。
――お前の正体はわかっているわ!
少女は、ビシッと指差す。
少女の金髪とフリルたっぷりの服のリボンが
風に靡く。
ついでに、短いスカートも。
――お前の命もここで終わりよ!
下にいる者からは、白いパンツが丸見えである。
――わたしが直々に処分してあげる
「何、考えてるんだ! くそ女!」
少女の足を思い切り、引っ張った。
「ぎゃっ!!」
少女は、踏まれた蛙のような声を出す。
正直言って、今は、頗る機嫌が悪かった。
一週間も何の音沙汰もなく、
突然やってきてこれである。
機嫌が良ければ、付き合ってやった――
かもしれない。
少女は、魔法の浮力で、
激突というようなことはなかった。
ただ、着地で、足を捻らせ、
勝手に尻餅をついた。
「痛い!」
キィッと少女が睨む。
「それが、勇者の口の利き方なの!?」
「うるさい。それはお前も同じだろ!
何が、魔法少女だ。悪役の女ボスだろ」
周りに、カメラ等がないことは、了解済みだ。
今は、勇者のふりをする必要はないのだ。
少々、言葉づかいが悪くとも、咎められない。
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