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入学から一ヶ月後――
王立アカデミーでは、
入学一ヶ月後の適性試験により、
専門のクラスへ配属される。
適性試験は、六日間に亘って行われる。
最初の二日は、筆記試験。
これは、特に問題はなかった。
後の四日は、実技試験。
俺のクラスでは、最初に、体力測定があった。
それぞれの種目毎に上位五名の結果が
表示されるようになっている。
柔軟以外は、俺がほとんど一番だった。
次に、魔力測定。
俺の場合は、測定したところで、ないものはない。
ないとわかっていても、全員が行う。
稀に、ないと思っていたが、
あったという場合があるらしい。
俺は、そんなこともなく、やはりなかった。
そして、なぜあるのかわからないが、
絵も描かされた。
その他に、性格診断、
グループディスカッションに、小論文など。
最終日は、弁論である。
基本的にテーマは自由。
ただ、予め、テーマと概要については、提出しておく。
注意書きに、あまりに不適切な内容の場合、
再提出となることが書かれていた。
テーマは、すぐに決まった。
この王立アカデミーを目指すきっかけとなった
技術研究の第一人者ジョセフ・サーティスのことだ。
彼は、より効率的な魔力蓄積機関を完成させた。
ようは、魔法が使えない人にも、
魔術師と同等の魔法が使えるようにすることに
力を注いでいるのだ。
それでも、まだ、魔術師と同等とはいかない。
彼も、そして、俺も、魔法は全く使えない。
願わくば、俺は、彼の元で研究がしたい。
俺なら、それも可能だと思っていた。
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