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彼のレジを回避するように、レジを回すことに専念する。
不自然にならないように、調整しながら。
美帆にレジをさせてあげたいっていう気持ちもあるんだけど。
どっちかっていうと、アタシが彼のレジをしたくないっていう気持ちの方が、実は強かった。
言ってしまうと、アタシは彼が好きじゃない。
何かされたわけじゃないけど。
彼の回りにあるキラキラした雰囲気は苦手。
叶うなら、関わり合いになんてなりたくない。
接客だってしたくない。
だから、同じシフトに入っている人が接客をしてくれることを、助かると思っていた。
彼に気に入ってもらいたい女の子と。
彼を接客したくないアタシと。
利害は一致していたのかもしれない。
だけど、今日に限って、レジは異様に混んでいて、関わり合いになりたくない彼がアタシのところにきてしまう。
元々、ベッドタウンになるこのコンビニは、お昼の人口よりも夕方から夜にかけての方が人口が多い。
アタシがシフトに入る時間は、特に帰宅する人が多くて、晩ご飯や軽食、お酒やおつまみを買いにくるから、客単価も高いし、荷物も多くなる。
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