第1章

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朧月夜を見上げて、きれいな夜だなって思った。 でもそれは、満月が涙に滲んだだけだった。 届かなくても悲しくなんかない。 叶わなくてもつらくなんかない。 だってあなたのそばでまだ冗談言って笑うことができるのだから。 だから泣かない。 そう自分に言い聞かせたのに。 せっかくの満月は、いつまでも朧月夜のままだった。 笑った顔も、怒った顔も、泣いた顔も 大好きでした。
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