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それでも言わずにはいられない、負けず嫌いで、自分の身も切り売りしてしまうこの性格が恨めしい。
「で、今、何曲やってるの?」
とりあえず話を元に戻す。
「今は2曲。1曲、昨日の夜上げたから」
「昨日まで3曲同時進行だったの!?」
気付いてなかったけど、ご多忙だったんですね…
理一くん。
「さぁ! これで、どうだ!」
書き終えた理一がカチッとボールペンの芯を戻し、メモ帳を自分の胸の前に持っていく。
トン、トンと、ペンでリズムをとって見直す理一の横から、遠慮なく、私も一緒に覗き込む。
【秘密を聞き出す手で
今日も試し裁かれる愛憎
カブりぎみの台詞で
人の視線
欲しがってるだけ
嵐に臨む静けさに奮え
不可侵壊す
黒も白も惑わして
闇も影も染まれと言う
結び解く(ほどく)放せない
伝えきれない思いを
君と会えた理由にした
傷ついてる君と
崩れるまま繋がって
抱いたのは弱さで
受け止めたのが愛ならば
夜を越えた明日に
新しい景色が広がる朝のstellar light
君だけが】
書き直したりしている部分もあるけど、
「相変わらず、意味がわかんない」
素直な感想なんて、こんなもので…
「ねぇ、もう一つ書いてるのは?」
「もう一つ?」
ほら、とメモ帳を一枚めくって見せてくれた。
【暗闇光るeyes 手に余るはtheory
噛みつき方はso cool 臨戦態勢でgo out
全力のcat jab 可愛いだけのstory
黒い悪魔のtail なびかせ消えた
high-riskでNOreturn どーなってんだ!?と責めない=(は)許したわけじゃない
恋に則って始めるより
「まあまあ待て」と捕まえ帰るんだ
catch UP catch UP my lady
catch UP チラつかせ 落としドコロ
catch UP 打算と妥協 折り込む
catch UP 恋だからって終わらせないから
すれ違いもスパイスなのさ
そうも言ってらんない僕だから
やっと寄り添う温もりも
隙を見せたら逃げて行く
catch UP lady pick UP lady】
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