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翌日、朝から雨だった。
雨の日は好きじゃない。家を出る時も空が暗いからだ。
朝食も作ってもらえない。見送ってももらえない。それが寂しくないといえば、嘘になる。
けれど、そのことにはもう慣れてしまった。
どこで間違えたのか。それとも単なる必然なのか。それはよくわからない。
ただ、もう慣れてしまったんだ。
それでも、空が暗いのには慣れることはない。
俺が住む香川県は、日本で一番、晴天の多い県だ。
だからなんだろうか? 暗い空はどうしても気分が参ってしまう。
俺は駅へと向かう道すがら、傘の下で携帯を開いた。
グルに入る。当然、誰もいる様子はない。
『あいさつ』という、文字通り朝晩の挨拶を書き込むためだけの板に、おはよう、とだけ書きこんで、俺は携帯をポケットへと落とし込んだ。
雨は何事もなかったように、しとしとと振り続けている。
俺は無言で、雨が傘を叩く音を聞きながら、歩いていった。
昼休みに携帯を見ると、メッセージが届いていた。グルの主催者、ヒラからだった。
「どう? グルには慣れた?」
主催者らしい気づかいに感謝して、俺は返信する。
「おかげさまで。ありがとう。楽しんでるよ」
「そっか。よかった。メグと盛り上がったみたいだね」
「ああ。楽しかった」
「よかった。もし見かけたら、わたしや他の人とも絡んでね」
「ああ。もちろん」
「ありがとう! じゃあ、またグルでね!」
そんな話をしていると、昼休みはほとんど終わってしまった。
あっという間に時間が過ぎる。
それに驚きはしたものの、悪い気分ではなかった。
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