二章 LOVE広場の楽しみ方

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 夜になり、やはり妻と子が既に寝てしまっている家で、グルを覗く。 『数上げ』というトピックが一番上に来ていた。  一から順番に数を書き込んでいって、かぶったらその人が罰ゲーム。単純だが、盛り上がっていると油断できないゲームだ。  俺は悪戯心を起こし、こっそりと数字を差し込んだ。  ヒラがかぶって、罰ゲーム。 「ダイー! 覚えてなさいよ! 1!」  なんだか怒りの声が書き込まれて、俺はぷっ、と噴き出した。  ……楽しい。  なんて思いながらやっていたら、今度は俺が罰ゲーム。 「ぎゃー!」  とりあえず叫びを書き込み、罰ゲームは何かを見る。 『罰ゲーム場所』という板に答えはあった。  その罰ゲームとは――二十四時間顔写メ貼り。というものだった。  ……マジでか。  俺は心の中で情けない声を洩らすが、ヒラが早々に貼っていたので、冗談ではないことを理解した。  というか、ヒラが可愛かった。セミロングの茶色の髪に、少し丸目の顔と、パッチリした瞳。どこからどう見ても可愛かった。  しかも――微妙に谷間が。  『罰ゲーム感想』という板が上がり始め、皆が口々にヒラを褒めている。  俺はなんだか逃げたくなった。  しかし、そうもいかないだろう。  俺は覚悟を決めて、写メを貼り付ける。  すると感想では―― 「イケメン!」 「ちょ……ダイが普通にカッコいい」 「イケメン入りまーす」 「ゴチになります」  なんてコメントが書き込まれた。  もちろん、社交辞令にきまっているだろうけれど、現実でそんな事を言われた事がない俺は、ちょっと嬉しくなるのを、抑えられなかった。
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