二章 LOVE広場の楽しみ方

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 そのまま、雑談に入るとたくさんのメンバーがいた。  話題は、ヒラと俺の写メが中心。ちょっと逃げたくなる。 「ダイってカッコいいんだねー。ごちん」 「うんうん。びっくりー」  ヒラの書き込みにメグが反応した。 「いやいやいや、そんなことないって。ヒラのが可愛いだろ」  おかしな比較だが、否定する俺。 「あははー。そりゃまあね」 「ヒラはすっごく可愛いから」  自信たっぷりなヒラの返事に、持ち上げるメグ。 「ヒラ美人」 「そこは普通にな。ってかメグは貼らないの?」  口々にメンバーが持ち上げる。当然のように俺の写メはなかったことになる。  まあ、いいけれどな。  ガヤガヤする中で、わかったことが一つあった。  それは、メグは写メを乗せたことがない、ということ。  今もメンバーにリクエストされては、「恥ずかしいし、不細工だから」と否定している。  俺も、何気なく書きこんだ。 「俺もメグ見たいな」  そのすぐ後、メグは落ちる、と宣言していなくなってしまった。  ……何かまずかったかな。  それをきっかけに、次々とメンバーがいなくなる。  残ったのは、俺とヒラだけだった。 「ダイはまだ寝ないの?」 「いや、もう少し起きてるよ」 「そう? グルはどう?」 「楽しいよ。誘ってくれてありがとう」 「どいたま。ダイは積極的に皆と絡んでくれるから、わたしも嬉しいよ」 「そっか」  ふと、会話が途切れる。  俺はダメだなあ。どうも会話を続けるのが下手だ。  もうこのまま落ちるか。そう考えているとヒラが書きこんだ。 「でも、ダイって……マジにカッコいいね」  あ、そこに戻るのか。もちろん俺は否定する。 「そんなことないって」 「あるある。わたしの好きなタイプかも」  お世辞が上手いなあ。けれど、返事に困るな。 「ありがと。ヒラも可愛いと思う」 「まあね。ダイのタイプ?」 「う~~~~~ん。わからない」 「悩むなー!」  文字だけのはずなのに、何故か二人とも声を出して笑っているかのような、会話が続く。  時計の針が、一時を指したところで、二人して落ちた。  そして、翌朝。  駅へと向かう道の途中。ふと携帯を見ると、一通のメールが届いていた。 「おはようございます」という内容の想像できないタイトルのそれは――メグからだった。
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