四章 イベント

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 まあなんというか、中学生か高校生みたいな会話で専用板を更新していった翌日、ヒラからのメールが来た。 「ちわ。板見たよ。ラブラブじゃん」 「超恥ずかしい」  だからやめてお願い、いじめないで。  そんな俺の願いはもちろん無視される。ヒラはそんなに優しい奴じゃない。  男友達のような気やすい感想を抱く俺はもちろん、感想が外れていないことを知る。 「それがいいんだよ。女の子は幸せをアピールしたいもんなの。みんなにラブラブでうらやましい、いいなあ、って言われたいんだよ」  そんなもんかもな。だからメグもいきなり積極的なのか。 「なるほどな。勉強になります」 「素直でよろしい」  鷹揚に頷くヒラに、俺は疑問をぶつける。 「ところで、ヒラは参加していないのか?」 「あたしは主催者だからね。こういう時は参加しないの」  ああ、なるほど。やっぱり主催者は大変だな 「なるほど。大変だな。お疲れ」 「ありがと……本当はダイにも参加してほしくなかったけどね」  ――え?  わずかに心臓が跳ねた気がする。 「は? なんでだ?」  俺の切り返しに、ヒラは珍しく時間を開けて、返事を送ってきた。 「……だって、あたしと絡めないじゃん」  今度ははっきりと心臓が跳ねるのがわかった。  ふと、ヒラの写メを思い出す。  ――何が、男みたいな気やすさ、だ。  俺は一瞬前の感想を抱いた自分を殴ってやりたくなった。  あの時の写メだって。  今のこの言葉だって。  ちっともあってない。  ヒラは――話しやすくて、バカみたいな話が楽しくて、楽に会話できる。  でも、主催者としてきっと皆に気を使って、盛り上げようと一生懸命で、実際すごい管理人で。  それでも、やっぱり女の子なんだよ。  早く気づけよ、俺。  ばーか。
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