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まあなんというか、中学生か高校生みたいな会話で専用板を更新していった翌日、ヒラからのメールが来た。
「ちわ。板見たよ。ラブラブじゃん」
「超恥ずかしい」
だからやめてお願い、いじめないで。
そんな俺の願いはもちろん無視される。ヒラはそんなに優しい奴じゃない。
男友達のような気やすい感想を抱く俺はもちろん、感想が外れていないことを知る。
「それがいいんだよ。女の子は幸せをアピールしたいもんなの。みんなにラブラブでうらやましい、いいなあ、って言われたいんだよ」
そんなもんかもな。だからメグもいきなり積極的なのか。
「なるほどな。勉強になります」
「素直でよろしい」
鷹揚に頷くヒラに、俺は疑問をぶつける。
「ところで、ヒラは参加していないのか?」
「あたしは主催者だからね。こういう時は参加しないの」
ああ、なるほど。やっぱり主催者は大変だな
「なるほど。大変だな。お疲れ」
「ありがと……本当はダイにも参加してほしくなかったけどね」
――え?
わずかに心臓が跳ねた気がする。
「は? なんでだ?」
俺の切り返しに、ヒラは珍しく時間を開けて、返事を送ってきた。
「……だって、あたしと絡めないじゃん」
今度ははっきりと心臓が跳ねるのがわかった。
ふと、ヒラの写メを思い出す。
――何が、男みたいな気やすさ、だ。
俺は一瞬前の感想を抱いた自分を殴ってやりたくなった。
あの時の写メだって。
今のこの言葉だって。
ちっともあってない。
ヒラは――話しやすくて、バカみたいな話が楽しくて、楽に会話できる。
でも、主催者としてきっと皆に気を使って、盛り上げようと一生懸命で、実際すごい管理人で。
それでも、やっぱり女の子なんだよ。
早く気づけよ、俺。
ばーか。
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