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翌日から、俺はグループに書き込みするのをやめた。
それよりも、自分の気持ちを探ることが必要だ。
「ダイおはよう」
「ダイ、忙しいのかな?」
「ダイ、お仕事お疲れ様」
「ダイ、お休みなさい」
「ダイ、おはよう」
「ダイ、忙しいの? お昼はちゃんと食べてる?」
「ダイー(泣)」
「ダイ、待ってたけど、落ちるね。時間あるとき、来てほしいな」
俺とメグの板は、メグの言葉だけで上がっていく。
まるで、更新が止まって、下に落ちていくのを拒否するように、メグは書き込みをしてくれる。
俺に語りかけて、心配してくれる。
――それでも、俺は書きこむ気にどうしても、なれなかった。
「ダイ。最近何でグルこないの?」
とうとう、メールも来た。
「ごめん、ちょっとあって」
それでも俺は、それしか返せなかった。
考えろ。考えろ――真剣に、考えろ。
俺の知らない、俺の本音を見つけろ。
焦るように、そんな事を考えて、ふと、夜道で足を止める。
見上げれば、空には丸い、月。
闇の中で、しっかりと主張するそれに、思わず笑みがこぼれる。
ああ、こんなときでも、俺ってまだ笑えるんだな。
自分のまた違う一面を発見して、少し気が軽くなる。
そして、今度は違うことを思う。
暇つぶしに、楽しそうだから、ってはじめたのに、どうしてこんなに悩むんだろうな。
どうして、こんなに、切ないんだろうな。
自問する。自答できる。
「それが、恋だからさ。たとえ、バーチャルでもな」
恋って、楽しいだけじゃないんだよな。
語りかけた月は、もちろん返事をしてはくれなかった。
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