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「ありがとう。じゃあ、少し時間をくれるか?」
「少しじゃなくていいよ。気が済むまで話そう」
俺の書き込みに、メグからすぐに返事があった。
そして、携帯の画面に向かって頷く。
「俺は、こういった恋愛グループ、ってのに参加したのは初めてなんだ」
「うん。そうだね」
「だから、今俺が感じていることが、的を得ているのかどうかも正直わからない」
「うん」
「言い方は悪いけど、正直ただの暇つぶしのつもりだったんだ」
そこで、メグの返事は少し遅れた。
「……最初はみんなそうだよ。でも、今は違うの?」
今度は、俺の返事が少し遅れる。
今は、か。ああ、違うよ。
そんなことを確認してから、打ち込む。
「今は……違うよ。上手く言えないけれど、ヒラに誘ってもらったここは、とても楽しかった。特に、メグと絡んでいる時は、現実でも感じないような、穏やかな気分になれていたんだ」
それは、飽きることなく話を聞いていた、ファミレスの思い出とは違う。
例えるなら、静かなカフェで、時折会話を交わしながらも、沈黙が嫌じゃない時間。
キラキラした輝きではなく、穏やかな日差しに満たされているような感覚。
書き込むことで、もやもやとしていたものが、はっきりと形を作った。
そうだ俺は、メグとの会話に、楽しさと――それから穏やかさを得ていたんだ。
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