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「ヒラの許可もでたし、じっくり話そうね、ダイ」
「ああ」
メグからのメールに、俺は短い返事をする。会話の主導権はいつもどおり、メグだ。
それでいい。
それがいい。
それが俺には、心地いい。
「ダイって、ヒラが好きなの?」
じっくり、と言いながら、いきなり確信をついてくる。
聞かれて、はぐらかすことはもうできない。
「ああ、好きだよ。でも――なんか違うんだ」
「違う」
おうむ返しに問いかけてくるメグに、俺は言葉を選びながら、自分の想いを説明する。
ヒラと話すのはとても楽しくて、キラキラと輝いていること。
グルに誘ってくれたという感謝も、当然あること。
けれど、シンママであるヒラと、既婚者である俺。
二人がつきあえば、いつかどこかで破綻すると思うこと。
そして、何よりも――ヒラには幸せになってほしいこと。それは、バーチャルではなくて、現実で。
「だから――違う」
そう結んだ俺に、メグはすぐに返してきた。
「ダイは真面目なんだね。会話が不快じゃなくて、優しくて、相手の事を本当に考えている。ヒラが魅かれたのが、よくわかるよ」
俺が携帯を手に、どう返したものか考えた一瞬。続けてメールがくる。
「でも、間違ってるよ」
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