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「ありがとう。次は先に俺の話を聞いて」
自分にできる最速で送信する。それはもちろん、メグには及ばないけれど、自分にできる精一杯。
「……うん」
返事があった。
間に合った。
言わせちゃいけない。
俺は、まだ言っていない。
ヒラと付き合わない、一番の理由を。
「ありがとう。少し勘違いしそうになってた。でも、そもそもヒラと付き合わない一番の理由は、別にあるんだ」
「別に?」
ここで言わないと、きっと後悔する。
たった今、メグが教えてくれた。
「ああ。ヒラと話していると、すごい楽しい。でも――」
俺が誰を、どう思うかを。
「でも、メグと話していると、楽しくて、安らげるんだ」
俺たちはもう子どもじゃない。まったくその通りだ。
だから、さっきメグが何を言おうとしているかが、わかった。
子どもじゃないから、わかった。
子どもじゃないけど、でも、カッコはつけたいんだ。
「俺が一番好きなのは、メグだ」
ヒラには見事にしてやられたけれど――
「俺とつきあってください」
――告白は男からしないと、カッコ悪いだろ?
たっぷりと間を置いて、メグからのメールが届く。
そこに書いてあったのは――
「―――――――」
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