エピローグ

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「おはよー」 「おはよー。っておはようのキスは?」 「メグは甘えっ子だなあ。ちゅっ」 「わーい。お返しにちゅっ」  朝から晩まで、すっかりピンク色の書き込みで埋まる、一枚の板。  LOVE広場に今もあるその板は、かつてイベント用に作られた、かりそめのカップル板。  それは今、俺とメグ専用の、本物のカップル板となっている。 「まーしかし、毎日飽きもせずにイチャイチャしてるよなー」 「見事にバカップルよね。まあ、それが恋愛グルのカップルだけど」  雑談板では、メンバーにネタにされる俺たち。  けれど、今はそれすら、嬉しさでしかない。  メグとカップルになってから、数日がたつ。  カップル板で絡み、お互いのことを思って過ごす。  相手の返事に、一喜一憂する毎日。  それは、バーチャルどまりの関係。  けれど、忘れていた感情は確かにそこで満たされている。  どうやったって、いつかは終わる関係。  約束された破綻が待っている関係。  けれど、胸を張って言える。  俺は今、幸せだ、って。    
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