二章 LOVE広場の楽しみ方

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 結局その日は挨拶だけしかする時間がなかったため、翌日俺は再びグルに顔を出した。  『雑談部屋』というトピックが上がっていたので、覗いてみる。  そこでは、数人のメンバーが文字通り雑談で盛り上がっていた。  掲示板だから当然音は聞こえないが、ワイワイ、という楽しそうな音が俺の中に響いてくるようだった。  恐る恐る、書きこむ。 「こんばんは」  それだけだったのに、全員がレスを返してくれた。それが嬉しくて、俺もまた書き込みをする。  みんな、この反応がある、ってことがお互いに嬉しいのかもしれない。  雑談部屋のトピックは分単位で更新されていく。それほど携帯メールが速くない俺は、話題についていくので精いっぱいだった。  あっという間に、1時間近くたってしまった。数人いたメンバーも、皆「寝るー」だの、「夜勤」だのと言って、いなくなってしまった。  しかし俺は、不思議な高揚感に包まれていたせいか、まだまったく眠くなかった。 時計の針は、十二時を指そうとしている。あまり遅くまで起きていると、明日の仕事がやりにくくなる。  ――けれど、まだもう少しだけ、誰かと話していたい。  俺はごく自然にそう思っていた。  そんな風にだれかとの会話を求めるのは、久しぶりだったけれど、不自然とは思わなかった。  まだ話したい。けれど、どうすればいいかわからない。  そう思って触るともなく携帯を眺めていると、トピックが更新された。
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