プロローグ

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車が見えなくなると急に目の前が歪みはじめた。 ふにゃふにゃと景色がまるで、ゴーグルをかけないでプールに入ったときの視界のように。 ボロボロと再び涙と鼻水が出できて、家の中に入る。携帯を取り出して友人に連絡をいれる。高校の時の部活の仲間である。いや、仲間という言葉じゃ生ぬるい。悪友だ。ここでは、ユイと呼んでおこう。 ー電話しても大丈夫? そう送ると返事がすぐに返ってきた。今の時刻は3時。明日、いやもう今日なのか。今日は金曜日で、講義があるはずなのに起きてて大丈夫なのかと、連絡をしたのは私のはずなのに心配してしまった。 -トイレ行くから、終わったらすぐに電話する -了解 電話が来る前に泣き終っとこう。そう思ってお隣さんごめんなさいと思いながら、小学生振りに大泣きをした。しかし、泣き終るはずなく、電話がかかってきて、泣きながら詳細を話した。 携帯越しから袋をガサガサしている音が聞こえて、お菓子食べながら聞いてるのかな?と思ったが鼻をすする音も同時に聞こえて、泣いてくれてるんだ、いい子だなと思った。 ユイは終始自分の意見を挟まず聞いててくれた。うんうん、そうだね。と、私が話し終わるまで聞いてくれた。 最終的には二人して笑って、次の恋頑張ろうと活きこんだ。 そう、新たな気分で頑張ろうと しかし、ユイの一言で変わった。 「しかし、別れた理由ちゃんと分からなかったね。越野に言わされて言っているのは違うじゃん」 まぁ、それは確かに 他に好きな人でもできたんじゃないの?一番納得いく言葉を言うと、何故だかユイが怒っていた。人って、よく見られたい生き物だから、もしそれが本当だったら言えないよね。しかし、別れるのだからいいじゃん。いや、周りに言われると思うから言えないのかな?そうグルグル思っていると、お前を悪く言ってそうと言う言葉が聞こえてきた。 え?? 「人に話すときって自分の良いように言うでしょ?だから、別れた理由聞かれたときにお前が悪かったように話すかもね。ほら、浮気したとか」 さすがにそれはないだろうが、私が聞いた内容そのままではないだろうとは思う。明らかにあやふや過ぎて非難されるだろうから。 「なんかイライラしてきた」 うん。勝手な逆恨み?みたいなもんだろうけどイライラしてきた 「そうだ。復讐しよう」
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