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「しばらく見ない内にすっごく可愛くなったね、美里ちゃん」
「えへへ、愛守さんほどじゃないですよ」
頭を撫でられながら褒められ、美里は蕩けた笑顔を浮かべる。
(姉さんは確かに綺麗なんだけど、家事スキル皆無だからなぁ……)
隆侍はそう思いつつも、それは自分の親代わりとして勉強や仕事に尽力したからだとも感じている。
「愛守さんもどうです。一緒にゲームしません?」
ここで行栖が四つ目のコントローラーをゲーム機本体に差し込み、持ち手を愛守の方へと差し出す。
ハグしたままの美里も「是非やりましょう!」と乗っかってくる。
「私、きっとド下手だと思うけど、それでいいならせっかくだしやろっかな!」
愛守は謙遜しつつもコントローラーを受け取り、美里と並んで座る。
「んじゃ、対戦じゃなくて協力できるゲームにしようぜ行栖」
「だな。美里、ゲーム取ってくれ」
「はーい」
この後は、行栖と美里の両親が帰ってくるまでの一時間ほど、四人でゲームを楽しんだ。
二人の両親が帰宅した後は、美里と母親が料理を隆侍と愛守に振る舞った。
先程、美里に話した引っ越しの話等を話題の種にしつつ、六人で楽しい夕食の時間を過ごしたのだった。
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