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先攻・後攻をどう決めるのか、と隆侍が思っていると、機械音声のような無機質な声がコロッセオ内に響き渡る。
『自動判定。先攻は赤渕隆侍です』
ジャンケンやらコイントスは必要とせず、自動的に決められたようだ。
デュエル・マスターズにおいて先攻はドローは出来ないが、実質1マナ多い状態でプレイができる有利な状態だ。
隆侍は活き込んでから、手札にある一枚を手にして向きを逆側にしたまま、目の前に浮遊する台の上に置く。
「マナを溜めて、ターンエンドだ」
先程、《ルナ・ブルーダイナソー》から変化したばかりの謎の多いデッキだが、手札を見る限り早く動くタイプではない。
よって彼はマナチャージのみでターンを終えた。
続いては対戦相手、レッドゾーンのターンだ。
クリーチャーのデカさからして、コストの重いカードであることが推測できる。
しかしレッドゾーンの扱うデッキは隆侍の予想に反していた。
『ドロー、マナチャージ。1マナ使用、《凶戦士ブレイズ・クロー》を召喚』
レッドゾーンはカードに触れず、まるでスマホをタップするように腕を動かしていく。
それにより、浮遊しているデッキから自動的にカードが動く。
手札に該当している、レッドゾーンの前に横並びにしてあるカードの一枚が表向きとなり、そのクリーチャーが召喚される。
それに合わせ、言葉を発しないクリーチャーの代わりに、先程の無機質な声がアナウンスしてくれる。
クリーチャーは人語を話せず、カードを扱えない姿をしているのもいる。
だから触れずにカードを動かせたり、アナウンスがなされたりするようだ。
隆侍がそう考察した直後だった。
相手が出した《ブレイズ・クロ―》が、実際にコロッセオ内で実体化して出現したのだ。
『グオオオ!!』
咆哮が耳に響く。
紛れもなく、本物のクリーチャーとして存在している。
凶戦士ブレイズ・クロー
火文明/1マナ/ドラゴノイド/1000
このクリーチャーは、可能であれば毎ターン攻撃する。
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