1st duel─再会と思い出のカード

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レッドゾーンが実体化して現れた以上、そうなるであろうことは予想していた。 しかしデュエルである以上、当然攻撃が行われる。 《ブレイズクロ―》の両手についている大きな鉤爪は、かするだけでも馬鹿にはならないだろう。 隆侍は心が冷えるのを感じた。 (……にしても、奴のデッキは速攻っぽいな) 速攻デッキ以外で《ブレイズクロ―》が採用されることはほとんどあり得ない。 レッドゾーンがどういうカードなのか知らない隆侍にとっては、相手が速攻デッキであることはとても意外だった。 「俺は再びマナチャージのみ、だな……」 速攻だと気付いても、隆侍はまだカードをプレイできない。 先攻ではあるが、まだプレイできるマナに届いていないのだ。 これでは《ブレイズクロ―》の攻撃を防げない。 隆侍の頬に冷や汗が伝う。 『ドロー、マナチャージ。2マナ使用、《暴龍警報》を詠唱。《ブレイズ・クロ―》を選択し、種族にガイアール・コマンド・ドラゴンを追加』 「種族を追加……?」 2ターン目にもカードをプレイしてきたことに、隆侍は警戒心を強めたのだが、攻め手を増やすわけではない呪文でる上に、一見すると特に意味がなさそうに思える効果だったので、意図が理解が出来なかった。 だが次のレッドゾーンのプレイングで、隆侍は驚愕することとなる。 『《ブレイズクロ―》でシールドに攻撃。火のコマンドの攻撃時に侵略発動。《ブレイズ・クロ―》を《轟く侵略レッドゾーン》に進化』 「な、なにっ!?」 ウィニークリーチャーであったはずの《ブレイズ・クロ―》が消失し、代わりにプレイヤーとして立っていた《レッドゾーン》が前に出てくる。 バトルゾーンに出たことにより、縮められていたサイズが元に戻る。 暴龍警報 火文明/2マナ/呪文 G(グラビティ)・ゼロ-バトルゾーンに自分の火のドラグナーがあれば、この呪文をコストを支払わずにすぐ唱えてもよい。 バトルゾーンにあるクリーチャーを1体選ぶ。このターン、そのクリーチャーは「スピードアタッカー」を得、種族にガイアール・コマンド・ドラゴンを追加する。 轟く侵略 レッドゾーン 火文明/6マナ/進化クリーチャー/ソニック・コマンド/侵略者/12000 進化-自分の火のクリーチャー1体の上に置く。 侵略-火のコマンド(自分の火のコマンドが攻撃する時、自分の手札にあるこのクリーチャーをその上に重ねてもよい) T(トリプル)・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを3枚ブレイクする) このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、一番パワーが大きい相手のクリーチャーをすべて破壊する。
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