28人が本棚に入れています
本棚に追加
すぐにレッドゾーンのターンとなり、想定通りの展開となる。
『ドロー、マナチャージ。4マナ使用、《轟速ザ・レッド》を召喚。《ザ・レッド》でシールドを攻撃。火のコマンドの攻撃時、侵略発動。《ザ・レッド》に《轟く侵略レッドゾーン》を進化。登場時に《大尖塔ブルーダイナソー》を破壊』
轟速 ザ・レッド
火文明/4マナ/ソニック・コマンド/侵略者/4000
スピードアタッカー(このクリーチャーは召喚酔いしない)
侵略でトリプル・ブレイカーが再び前に現れ、《ブルーダイナソー》が突進回し蹴りを喰らって倒壊してしまう。
余波である土煙に襲われ、隆侍は両腕で顔を庇う。
(《レッドゾーン》には登場時破壊効果もあったのか……。だが、これであいつの手札はゼロだ!)
再度容赦のない直接攻撃がやって来ることに恐怖しつつも、ついに相手の手札を枯らせたことに喜びも感じる。
『《レッドゾーン》でダブル・ブレイク』
アナウンスの直後、土煙の中から正拳突きが飛んでくる。
回し蹴りの勢いが加わり、威力は底を知れない。
しかも土煙からの突然な出現である。
反応に遅れた隆侍は、何とか咄嗟に避けようと横へ飛ぼうとする。が、
「いづっ!!」
反応の遅れをカバーする為に無理に動かそうとした足が挫かれてしまう。
それにより、隆侍は横倒れになるように崩れてしまう。
倒れるスピードでは避けきるには間に合わず、左腕はレッドゾーンを拳を避けきれず直撃する。
それだけで身体が浮き、斜め後ろに数メートルも飛ばされてしまう。
「がはっ!」
左腕の激痛と撃ちつけられた全身の痛みで、思考がメチャクチャになる。
起き上がることが出来ず、ただ悶える。
「くそ! ふざけやがって……!!」
文句を大声で上げつつ、彼は左腕の具合を確かめようとする。
だが来るのは激痛のみであり、力を入れようにも入れられない。
ぶら下げることしか出来ず、少なくともこのデュエル中は使い物にはならないだろう。
隆侍は何とか右手だけで片膝立ちの体勢にまで起き上がることに成功する。
そこでようやくシールドチェックが行われた。
四枚目にもシールド・トリガーはなかったが、五枚目にてようやくやって来た。
「《ルナ・ヘドウィック》を召喚し、一枚ドロー……っ!」
ブロッカーが出てくれたことは不幸中の幸いだ。
左手が使えない彼は浮遊台の上に手札を伏せて置いてから、デッキからカードを引く。
最初のコメントを投稿しよう!