1st duel─再会と思い出のカード

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三年前にデュエル・マスターズを辞めた身である隆侍は、ドラグハートという要素そのものを知らない。 しかし隆侍はほとんど迷うことなく、正しくプレイを行えていた。 それがサイキックを知っている知識からの推察なのか、はたまた別の要因からなのかは隆侍も分からない。 《ドラコベース》の滑走路に戦闘機が現れ、エンジンを点火し滑走路を走り空を飛ぶ。 飛びながら変形をし、一つの大きな大砲となり、それが《ドラコベース》の最下部と合体した。 「墓地にある四体のサイバー・ムーンをデッキボトムに戻すことで、四枚ドローだ」 《アンファング》の装備時能力で、手札を増やす。 ハンデスやクリーチャー破壊でサイバー・ムーンが墓地に溜まると、ドロー枚数が増えるようになっている効果だ。 そして、このドラグハートにはまだ能力が残っている。 「このままエンドステップに入る。この時、バトルゾーン及びマナゾーンにサイバー・ムーンが七体以上いれば、《アンファング》の龍解条件が達成される」 月龍砲(げつりゅうほう)アンファング 水文明/5マナ/ドラグハート・ウエポン このドラグハートをバトルゾーンに出した時、墓地にあるサイバー・ムーンを5枚まで選び、山札の一番下に置いてよい。その後、その枚数と同じ数だけカードを引く。 龍解:自分のターンの終わりに、自分のバトルゾーンとマナゾーンにサイバー・ムーンが7体以上あれば、このドラグハートをクリーチャー側に裏返し、アンタップする。 再び襲われる激痛の波に上体をふらつかせつつも、隆侍は龍解を宣言する。 右手で《アンファング》のカードを掴み、裏返す。 ただのカードであるハズなのに、隆侍はそれをとてつもなく重く感じた 「龍解!! 《龍陣月ヴェットシュピール・エンデ》っ!」 最下部についていた《アンファング》が切り離され、そのまま地へと落下していく。 その途中で大砲が光り、その輪郭を大きくしていく。 地面に着地する頃には、一体の大きな蒼色のドラゴンへと変貌していた。 「《ヴェットシュピール》の龍解時能力、相手のバトルゾーンからクリーチャーを二体、マナゾーンからカードを二枚選び、相手は一枚ずつを選んでデッキの下に置かせる。残りを手札にバウンスさせる」 殿堂入りカードである《英知と追撃の宝剣(エターナル・ソード)》を彷彿とさせる効果だ。 水単色故か墓地送りではなくデッキ戻しだが。
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