1st duel─再会と思い出のカード

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隆侍のサイバー・ムーンたちによる連続攻撃を、レッドゾーンは一身に受けることとなり、デュエマが決着した。 「何とか……勝てたな……つぅ!」 勝利の事実を認識し、ぶり返した痛みで力が抜けて膝を着く隆侍。 思考に霞が掛かっていく。 (ま、待ってくれ……まだ、気を失っちゃ……駄目だ……) 必死に食いしばって意識を繋ぎ続けようとするが、霞がどんどん濃くなっていく。 身体そのものも前へと倒れていく最中、レッドゾーンが視界に入る。 デュエマに敗北したレッドゾーンは、ノイズのように姿を歪ませていき──消滅した。 (美里ちゃんは……無事、なの……か) その心の呟きを最後に、隆侍は完全に闇に堕ちた。 ………………。 《轟く侵略レッドゾーン》が消失し、街を青く染めた空間もまた消えようとしていた。 「適当に発動したリアリゼーションだったのだけれど、ぐつ悪いことになったどすなぁ」 青く染めていた欠片が空へと消えていく幻想的な街の中を、一人の女性が歩く。 吸い込まれそうな闇のような長髪に、同化している程に黒一色の和装を来た日本美人。 その女性が歩く先には、気絶して横たわっている隆侍と美里の姿がある。 「新たなクライマーの出現……。その上、一枚のカードをデッキに昇華しはるとはなぁ」 立ち止まった彼女は袖口に手を差し込み、そこから一枚のカードを取り出す。 それは普通のデュエマのカードと違い、黒いオーラを放ち続けている。 「あての計画の邪魔になるかもしれへん以上、消えておくれやす」 そしてそのカードを隆侍に向けて、投げつけようとした時、 「ヒミコ、待て!」 別の位置から声が響き渡った。
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