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特に気にする存在じゃなかった。
と、いうか全く知らなかったし、さらに言えば足手まとい以外何者でもない。
そう断言出来るほど、こいつは何をさせてもトロかった。
「……お前、まだデザイン描いてないのか?」
「えっ? あ、うん。なんかこう、浮かばないっていうか」
そう言ってにへらと笑うこいつがイライラして仕方ない。
「……ゆうき、たまり? 変な名前」
デザインを描くべき紙に書かれてるのは『結城珠莉』というこいつの名前だけ。
「……しゅりだってば」
多少なりムッとするこいつの表情にさらにムカついたのは俺のほう。
「タマで十分だろ」
我ながらいいネーミングセンスだと思った。
なぜなら、こいつは、
「ね、神代君は出来たの?」
「……当たり前」
「見せて! ね?」
「……」
俺がこんなにも嫌ってるのに猫のように擦り寄ってくるから。
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