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タマ、俺を誰だと思ってる?
元々酔ってる上に、ダメ押しで日本酒。
どう考えたって――。
「結城さん、大丈夫? お家はどこ?」
「……んと、あっちぃ」
完全な酔っ払いの出来上がりだ。
っつか、普通ここまで酔うか? しかも自分の歓迎会で。
「困ったわねぇ……。課長、結城さんの家知りませんか?」
「いやぁ、社員名簿は見たが住所まではなぁ……」
誰の舌もまともに回ってない。
ここに居る誰もが酔っ払い。
「……俺が知ってる」
当然、俺も含めて。
「あぁ、同級生だもんね。じゃ、ヨロシクね、万里君」
「松本、皆でもう一軒行かね? 俺のいきつけ」
「あら、いいですね~」
すっきりしたと言わんばかりに松本は俺にタマを押し付けて、林と数人の奴等と居なくなった。
「じゃ、俺は家のチェーンかけられる前に帰るから」
さらに課長は門限があるらしく、通りすぎようとしてたタクシーを捕まえて飛び乗った。
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