第2章 指切りハントガール

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小学二年の時の遠足 俺は芽吹の面倒をみていた その頃の芽吹は今とは違い素直で 引っ込み思案な女の子だった 友達も少なくいつも俺の後ろをついて来る 遠足はとにかく俺の服の袖を掴んでいた。 皆でお昼御飯にしましょう 引率の先生の言葉 俺は芽吹と弁当を食べる その頃既に俺は家事に慣れており 弁当も手作りだ 生徒達がそれぞれの輪を作り弁当を食べる その中一人の少女は輪に入れず 孤独に食事をとっていた。 《この子も一人、なら芽吹の友達に》 そう思い俺はその少女を招く 少女は無表情を貫き弁当を食べる その少女が須玖だ。 そこまでは思い出せる だが約束した事 昔指切りをしてした約束だけは 言葉になって頭によぎってはくれなかった。 ーあのときも俺の弁当食べてたよなー 思い出せた事を伝える 須玖は悲しそうな笑顔を浮かべた。 ー今はそれで良いわ、続きはまたー また屋上で会えることを願う 何か懐かしく 留めておきたい空間と 俺は認識していたのだと気づく。 ー弁当狩りに手を染める位なら、お前の分も作ってやるぞー その言葉で須玖は目を丸くする コイツの表情変化も見ていて楽しい。 ーあなたは本当に、お兄ちゃんなのねー お前のお兄ちゃんでは無いがな 妹が二人いるから立派な兄だ …………立派かどうかは怪しいか。 ー明日から毎日お願いするわー 毎日? ーそれは平日毎日って事だよな?ー 須玖は呆けた顔で俺の表情を覗く。 ー土日祝日365日に決まっているでしょー 決まってるのかよ!? ……土日も屋上に来るつもりか? それとも家まで届けさせる気か? 毎日待ち合わせでもする気か? 俺は頭が普段の倍速で回転する。 ー私一人暮らしだから、何も問題は無いわー 家まで届けろと それが須玖恵のやり方かぁぁ!! …………反省だな まぁ良いだろう。 ーお前の家どこだよ、言い出したのは俺だし持ってってやるよー ー瀬部川に架かる芦谷橋近くのマンション《ロレンス》よ、804室ー 具体的な説明ありがとう それだけでこの約束はガチだと分かる。
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