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家に着くと芽吹は自分の部屋に向かう
やはり気まずくて逃げたか?
そう思っていると
芽吹は部屋から騒々しくキッチンへ走る
いつ買ったのか分からない
ピンクでフリフリのエプロンを纏い
ドヤ顔を決め込む芽吹。
ーなんだそれ?ー
正直聞くのは失礼かと思ったが
後学の為にも芽吹の趣味を把握しておきたかった。
ー何って、友達がくれたのよ、似合うからってー
嬉しそうに語る芽吹
友達…………か
入学して早々プレゼントをくれる友達
俺には今でもそんな友達はいない
幼馴染みの千尋と中学から一緒の輝くらいしか
兄妹とはいえコミュニケーション能力は違う
いつの日からか友達なんてと思い出した俺は
多分現状の生活に満足しているのだと思う
色々考えると泣きそうだから止めよう。
ーまあ準備は良いか、とりあえずジャガイモの下ごしらえからだー
何も聞かずジャガイモを洗い
水を入れた鍋を火にかけようとする芽吹
俺は座った目でそれを止める。
ーナニヤッテンダ?ー
ーナニってポテトサラダだからジャガイモ茹でようとしてるんでしょー
違う!
ジャガイモは洗って皮を剥き
水を入れたボウルに移し3分レンジに任せる
そして取り出し酢と塩コショウを振り軽く混ぜ
また3分程レンジに任せる
そうすれば水を沸かす時間を短縮出来る
俺はそれを芽吹に説明するが。
ーこだわってる風なのがウザいー
手伝うって言ったのはお前だろ!
まあ良い、とりあえずジャガイモを潰して
あら熱をとるためラップを掛けて放置
その間にキュウリ・玉ねぎ・人参をスライス
玉ねぎと人参はラップを掛けレンジに2分程GO
ハムの代わりにセールで買ったブロック肉の
自家製チャーシューを細切りにする
後は全ての材料を混ぜ
マヨネーズと少量のマスタードを加え完成だ。
ーまず自家製チャーシューってのがウザいわー
そんな文句を垂れながらも
芽吹は俺の言った手順通り作業した
出来たポテトサラダは
朝食に出される禍々しい贄に比べれば
まるで別人の作品だった。
ーうん、味も申し分無い、上出来だー
感想を述べると芽吹は少し恥ずかしそうだった。
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