第2章 指切りハントガール

5/22
前へ
/22ページ
次へ
ー陵ちゃんの事だから手料理振る舞うだろうし、緊張もあると思うから手伝おうかとー さすがは幼馴染み様だ 良く俺の事を存じているようです だが俺はどうやらこれも遮りたいらしい。 ーありがとな、でも大丈夫だ芽吹のおかげで不安も無くなったからー 嘘を付いた 無くなってはいない 和らいだだけの事 遮るのも自分勝手なプライドを 押し通したいだけなのだろう。 ー……分かったよ、無理しないでねー 千尋は寂しそうな笑顔を浮かべ 俺の頭を撫でてくる いつも穏やかで誰にも平等 そんな千尋がいつしか俺を支えてくれていた。 だがしかし、輝は違う 顔全体で絶望を表し 俺にすがり付いてくる。 ー何でも手伝うから家に行かせてくれよー!ー 雪吹姉さんや妹達に会いたい ただそれだけの理由だろう こいつはこいつで大した親友様だ。 そんな輝を押し退け 俺は自分の席へ着き授業の準備をする。 千尋の不安そうな視線 泣きながら諦めきれない輝の視線 どちらも正直ありがたい 俺を見てくれているんだと実感できる …………輝は早く彼女を見つけてくれ。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加