第2章 指切りハントガール

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意を決した俺は淡々と授業を受ける だが流れる時間が恐ろしい 着実に 帰宅までのタイムリミットが迫っているから 普段の二倍速程で 時が過ぎている感覚だ。 あっという間に昼休みになる 俺は普段通り屋上に行き のんびりと弁当箱を開ける。 屋上に来るとあの日の少女を思い出す あの日以降会ってはいないが 頭から少女が離れないでいた。 箸を取り出し食べようとすると 屋上の扉が開く音がした 目を向けるとそこにはあの日の少女が居た。 ーまた会ったわねー 少女が話し掛ける 俺は毎日ここで飯を食う そりゃお前が来たら会うだろう。 ーまた弁当狩りでもしに来たのか?ー 俺の問い掛けにもやはり無反応で 少女は俺の弁当箱を覗き込む。 ー好きなのどーぞー 正直あまり食欲は無い 俺が弁当を差し出すと 少女は遠慮無しにおかずを摘まむ 前と変わらず美味しそうに食べる。 ーあなた、草賀さんのお兄さんねー いきなりなんだ……へっ? ーお前芽吹の知り合いか?ー 俺が問い返すと 少女は目を丸くした 他人の飯を食ったり呆けたり忙しい奴だ。 ー私の眼に……いやいいわー 少女は言葉を止めると 弁当を俺に返し微笑混じりに去ろうとした 俺は何なのか分からないが 不思議と引き留めようとしない すると少女は扉の前で振り返った。 ー私は須玖 恵 《スグ メグミ》また会うわ、お兄ちゃんー 言い終えると須玖は去った 俺の混乱は止まらないまま。
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