第2章 青き炎

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「青い炎ってやつを見たことあるか?」 友人は突然、俺にそう聞いてきた。青い、炎?普通赤じゃないのか?俺はそう感じながら、答えた。 「いんや、見たことないな。てか青い炎なんてそうそう見ないだろ。あれか?ガスバーナーとかの炎の事か?」 「俺だって見たことあるわ。そうじゃなくて、ほんとの青色の炎だよ」 いや、わかんねーよと俺は答えるとうーんと彼はその金髪に染めた髪を掻いた。 「見間違いとかじゃねえのか?てかどこで見たんだよ?」 「あれだよ、この町の外れの柳の木。昨日、知り合いが面白いもの見れるぜって誘ってきたから一緒に行ったんだよ」 ほうほうと俺は相づちを打つ。俺は実はそういう話には否定的で、科学的に解決できると考えている。実際、何個かの怪談話の正体を見破ったりもしている。 (まあ実際は大したことじゃなかったりするけどな。基本見間違い位だし。恐らく青い明かりが炎に見えたんだろうさ) そんなのんきに考えている俺を尻目に友人、金髪は続ける。 「で、見に行ってもう日が暮れたぐらいかな。全然見れないからそろそろ帰るかって話になって帰ろうとしたとき、……鷺が来たんだよ」 「鷺?あの鳥のサギか?」 「そうそう、ここの地域じゃ見られないはずのな。で、しばらく待ってたらその鷺から青い炎が身体中からあがったんだよ」 友人の話に俺も食いつき始める。どうやら彼の話は本当のようだ。ますます正体を暴きたいと好奇心が現れ始める。 「で?そのあとどうなったんだ?」 「いや、何もなし。しばらくしたら鷺はどこかへ飛んでったよ」 「なんだ、それだけかよ。てっきり何かあると思ったのに」 「何だよ、その言い方。……あ、でもよ」 金髪は思い出したかのように言う。そしてある写真を見せた。それは柳の木で恐らくその怪異が起こるものだろう。 「見てくれよここ。何か焦げて見えないか?」 金髪が指差す場所。そこは確かに黒く変色した柳の枝だった。燃えた後に見えなくもないが、ただ黒ずんでいるだけにも見えなくない。 「……ほんとにいたのか?黒ずんでるだけじゃね?」 「いやいや、本当だって!そういうならその友人呼んでくる!」 「なら俺も知り合い呼んでくる。そいつも妖怪否定派だから、本物かどうか鑑定してやる」 そう言うと俺たちは別れた。そして俺は携帯でその男に連絡をした。
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