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しばらくして現場に着いた。そこには黄色いテープが張り巡らされており、中に入れないようになっている。
しかし俺たちはそれを無視して中に入ると、柳の木の10数メートル前に立った。
「これか、言っていた柳の木とやらは。……ほう、確かに焦げた後があるようだ」
メガネが近寄って柳の木を調べる、確かによく見ると所々が黒ずんでおり、火で燃えたのは本当のようだ。
「ううむ、これは本当に燃えているようだ。まさかとは思ったが……。しかしこれは比較的新しいな、他にもあるか調べる……」
メガネが木の周りを調べ始める。その間俺は金髪に色々と聞くことにした。
「そういや、いつ頃鷺は来るんだ?それにどこにとまるとかはあるのか?」
「時間は夜になるとやって来る感じだ、時間は正確じゃない。場所も一定じゃないからな」
そうか、と俺が呟く。メガネはまだ木を調べているようだ。そろそろ夜だし、止めてこちらに呼び戻すか。
「おーい、1度戻って……」
「やばい、もう来たぞ」
え?と俺は声をあげたが遅い。空から鷺が飛んでくると、柳の木に止まる。メガネもようやく気付いたようだ。
「おい!一応離れとけよ!」
「大丈夫だ。言ったろ?これは本物じゃないと……熱っ」
鷺が青い炎をあげる。それはメガネの手に当たり、そのまま灯り続ける。その瞬間、
「あ、あああああっ!あ、熱い、熱い!何だこれは!?」
メガネの右腕が燃え上がり、彼は悶絶しながら地面に倒れこむ。たちまち炎は体の全身に回り彼の体を焼く。
「な、これは……!?」
俺は唖然とした表情でしかいられなかった。体をモゾモゾをさせていたメガネは、やがて動かなくなり炎に燃える死体が残った。
「や、やっぱりだ……、あいつはこいつの炎で……、うわぁ!」
金髪は背を向け逃げようとするが、鷺から炎が伸びると彼に当たる。
「ぐぁ!?がぁぁぁぁ!?」
そのまま金髪の背中から炎は燃え上がると、全身に回る。彼も体の炎を消そうと動き回るが地面に倒れるとそのまま動かなくなる。
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