第1章

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 友康が面白半分で、俺の背中に 指で文字をなぞるという。  フタツタニヒコ。背中を伝う その冷たい指でも解るんだ。  布達谷彦って画数が多いからね。 逆にすぐに判ってしまうんだよな。  フォーリン。フォーリン・ラヴ。  続く文字は平仮名なのかな? ハナシタクナイ。ハナレタクナイ。  何だそれ(笑)どういうことだよ。 そういう趣味は俺には無いぜ。  振り向いて誰もいない。親友の 友康もそこには、もういないんだ。  いないんだけれど。真っ赤で。  タニヒコまでは背中に書いって。 それだけは間違いないんだって。  誰が俺に何を告白したんだよ。 頭がいいお前なら答えてくれ。  あれは誰だ。お前は誰だ。 俺は何処へいっちまったんだよ。  なぁ。
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