FACE
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「……遅い」 何度見ても一向に進む気配を見せない時計の針と、聞こえない扉をノックする音。 切りの無い苛立ちをアルコールと共に喉の奥へと流し込む。 けれども、口乾と焦燥がより強くなっただけで、なんの意味も無かった。 何故だろう…… オレはいつだって一人きりの夜を好んでいたはずなのに、 いつの間にか情けない事に、君のいない夜をこんなにも虚しく感じるようになってしまっていた。
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