第2階層 返報

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しかし解せない事がある。それは、彼自身の態度だ。 普通、ダンジョンの危機から生き延びた冒険者は、その日一日は命の大切さを噛み締める。 けれど、レドを見てみれば明らかに怒っているではないか。 それも彼が、ここまで怒りをあらわにするなんて珍しい。 客に注文を取っている一人娘のナナも、時折チラチラとレドの様子を窺っている。 気になったネネは、豪快に食事を平らげていくレドに尋ねた。 「アンタは何でそんなに怒ってるんだい?」 「冒険者に助けられたって言ったじゃん?」 「ああ、窮地を救ってくれたんだろ?」 「そーなんだけどさー、その冒険者、俺に“ザコ”って言ってきたんだ。しかも、ザコの癖にソロなんて馬鹿な事はしないほうがいいって。 あったまきたよ」 不満気に愚痴を吐く彼に、ネネはへーと感心しながら口を開いた。 「良い事言ってくれる冒険者もいたもんだねー」 「ちょっとネネさん!それ酷い!」 プンプン怒るレドに、ネネは苦笑して謝る。
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