第2階層 返報

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◇ 「もぉーレド君、だから早くパーティーを作ってって言ってるじゃない」 「ははは……」 ギルド本部受付嬢のミーネ=キャンベルは、彼女には似合わない険しい表情で新米冒険者を叱りつける。 兎系獣人特有の長い耳が、ピンッと真っ直ぐ立っていた。 モンスターの群集に襲撃された次の日の朝。 レドは広場に落ちていた百以上の魔石を換金する為、ギルド本部に訪れていた。 そこでミーネに捕まり、ボロボロの服や防具を見られ、何があったのかと問い詰めるられる。 レドは仕方なく、先日起きた事を掻い摘んで説明した。 そしたら、くどくど説教をされたのだ。 「ミーネさ~ん、そろそろ勘弁してよ」 「駄目です~、レド君がちゃーんと聞くまで何でも言い聞かせます」 プンっと怒っているが、レドからしたら全然恐くない。 むしろ可愛らしいお姉さんだとニヤニヤしてしまう。 真剣に伝えているのに、表情が緩くなっているレドにミーネは顔を赤くさせ。 「もー言う事聞かない子にはこうしてやるんだから」
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