461人が本棚に入れています
本棚に追加
◇
「もぉーレド君、だから早くパーティーを作ってって言ってるじゃない」
「ははは……」
ギルド本部受付嬢のミーネ=キャンベルは、彼女には似合わない険しい表情で新米冒険者を叱りつける。
兎系獣人特有の長い耳が、ピンッと真っ直ぐ立っていた。
モンスターの群集に襲撃された次の日の朝。
レドは広場に落ちていた百以上の魔石を換金する為、ギルド本部に訪れていた。
そこでミーネに捕まり、ボロボロの服や防具を見られ、何があったのかと問い詰めるられる。
レドは仕方なく、先日起きた事を掻い摘んで説明した。
そしたら、くどくど説教をされたのだ。
「ミーネさ~ん、そろそろ勘弁してよ」
「駄目です~、レド君がちゃーんと聞くまで何でも言い聞かせます」
プンっと怒っているが、レドからしたら全然恐くない。
むしろ可愛らしいお姉さんだとニヤニヤしてしまう。
真剣に伝えているのに、表情が緩くなっているレドにミーネは顔を赤くさせ。
「もー言う事聞かない子にはこうしてやるんだから」
最初のコメントを投稿しよう!