第1章

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八雲についていった先は 霧都の言う通りの場所だった 部屋の扉を開けようと八雲が ドアノブに手をかけようとして 何故か手をかけたまま止まる 「どうしたんですか?」 「…おい、琴葉。 あいつから見えないように ここに隠れてろ。」 不思議に思って聞いてみれば ニヤニヤと何とも楽しそうな顔をする八雲に 疑問を抱きつつ言われたとおり 見えないようにドアの横にずれる ずれたのを確認した八雲が 再びドアノブに手をかけドアを開き 頭だけ部屋にのぞかせた状態になる 「おーい、時雨ー!」 「なんだよ…うるさいな。」 「あんだと?こら。」 「あーはいはい、で何?」 「ちっ。お前に客だ。 下にいるから降りてこい。」 「客?」 時雨が客という言葉に動きだした為 その音で琴葉はこちらに来ると察し 少しばかり緊張した 「わざわざ呼びに来てやったんだ。 感謝しろよ。」 「はいはい。」 軽くあしらわれた八雲は不服そうに 顔をひっこめるが琴葉を見て ニヤニヤした笑みに戻る 「お客さん待ちわびてるぜ?」 「わーってるよ。」 その声と同時にドアが大きく開かれ 時雨が姿を現す 「そんな急かさなくても…。」 と言いかけた所でドアの横に ずれていた琴葉に気づく
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