当日

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 目に入った一馬は余裕無さそうに息を荒らげて、俺にまたキスをした。  俺を抱き上げて、ベッドに押し付けてくる。ベッド脇の木棚を漁って、小さなボトルと薄い四角のものを手にした。 「何、それ」 「ローションとゴムですけど」  何でそんなん持ってんの、付き合ってる人、いんの。いやでも、一馬は恋人がいるのに他の人間に、ましてや男に手を出すほど非常識な人間ではないはずだ。じゃあ、過去にいたのかな。 「まず指で慣らすんだっけ?」  余裕もクソもない状況で一馬はひとりごとのように呟いた。一度だけ出来心で見たゲイビでは、そんなことをしていた気がします。なんて俺の心の言葉が聞こえたのか、そんなはずはないけど、とにかく一馬は指にこれでもかというくらいローションを垂らして俺の尻に触れる。  冷たくて震えると、一馬が「大丈夫か?」なんて、優しく告げてくる。待って、そもそも俺が女側なの。 「だいじょばない」 「そう、じゃあ我慢して」  前言撤回。優しくない。少し待とうとかいう考えはないのかお前。  何かを発言する前に肛門に異物が入ってきて違和感からかむず痒い感じがした。丁寧に抜き差しされる。変な感じだ。  段々と指が増やされてく。何だか変な気分になってくる。  ぐい、と股を無理やり開かされて腰を持ち上げられた。勃起した一馬の陰茎が俺の菊門にあてがわれて、ひ、と息を飲む。 「痛かったら言って、止める努力は、する……から」  努力はして結局無理でしたなんていいそうなんですけどそれはどうなんですかね、一馬さん。  そんな考えも一馬に伝えることなく、こくりと首を縦に振ってやれば余裕のない顔を緩ませて一馬は笑った。何なのお前、その可愛いの。  ずんと勢い良く一馬のそれは俺の中に入ってきた。 「ん、ぅああぁッ!?」  待って待って、それさ、ゆっくりと入れるとかそんなんじゃないの。お前のさ、ただでさえでかいんだから、一気に入れられると苦しいっていうかさ。
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