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「ちょ、まって、いっ、ぁ、いたいッ……かずまっ、あ!!」
「ごめん、瑛介……!!」
ほらな! やっぱり努力はするだけなんだ、止めることなんて考えていやしない。
律動に合わせて声が「あっ、あ」と漏れる。激しい動きで、互いの肌がぱんぱんとぶつかる音が嫌に響き続ける。
一馬の首に手を回して、キスをする。驚いた顔をこちらに向けたそいつは俺の話を聞いてくれる体勢になったのだろうか。
「かずま、あの、ちょっとまって……?」
「う、ん……ごめん」
しゅん、と犬の耳が見えた気がした。ずるいもんお前それ、断れないような態度取るの。
「ちょっと痛い、から、ゆっくりだと嬉しいんだけど……」
「わかった」
一馬は俺の膝の下に手を差し込んで、ゆっくりと自身の抜き差しを始める。
「ん、んッ……ぅ、あん」
「痛く、ないっ?」
「うん、っ、はぁ……あっ、あぁッ!!」
ゆっくりと運動を繰り返す。ぐちゃぐちゃとローションと汗が混ざりあった卑猥さを含めた水音が聞こえてきてより一層羞恥心が煽られる。
ぽたぽたと一馬の汗が体に落ちてくるが、俺自身も全身汗だくでどれが彼のものかだなんてもはや判別出来やしない。
「えーすけ、可愛ッ……」
その余裕のなさそうな顔で笑うお前の方が可愛いなんて言いたいんだけど、声を出そうとした喘ぎ声になるから言えないんだ。なんかそれ、悔しい。
ピストン運動が次第に激しくなっていく。いつのまにか痛みなんかもどこかへ消え去っていて、違和感もなくなった今、前立腺を突かれて快感が襲ってくるだけだ。
「あッ、かずま、ぁ、ふぁッ……」
「んッ、瑛介、えーすけ」
名前を呼ばれてぞくりとする。やだな、そのエロい顔、他の人に見せてやりたくない。俺だけのにしておきたい。
「まっ、ぁ……あっ!! かずま、いじわッ……あぁッ……!!」
「ふは、なにがぁ?」
意地悪く一馬が俺のイイ所をしつこく責め立てる。
「今度は待って、痛いって、言わないの?」
最初と同じくらいの動きで動いているのか。わかんない。ただただ快感だけが襲ってくるから、俺、よくわかんない。でも痛みなんかこれっぽっちもなくて、一馬によがる。
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