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時の流れとは早いもので、気が付くともう日曜日だ。
今日は何としてでも救わなきゃならない。友人も、その子供も、ドライバーも。
ていうかドライバー、懲役とか無かったのかな。執行猶予とかか?とか色々考えながらも俺は公園に向かった。
公園に行くと友人が子供と共に待っていた。
「おぉ、来たな無気力者!」
「間違ってはないけど…ったく、人の気持ちも知らないで…お、息子か。大きくなったな。」
「ほら、ちゃんと挨拶しなさい、パパのお友達だ。」
「おじちゃん…初めまして。」
おじちゃんという言葉に少しショックを受けたものの、なんとか引きつった笑顔を浮かべれた…ハズだ。
「初めましてじゃないんだぞー?お前が産まれた時に、一番最初に会いに来てくれたんだよ?このおじちゃんが。ねー?おじちゃん?」
「お前も同い年だろうが!!」
ヘラヘラ笑いながら友人は肩を叩いてくる。
「どうだー?小さい子供ってのは、純粋の塊でさぁ。濁った目してないだろ?今のお前に必要なのはこの純粋さだと思うんだ。」
「俺は思ったんだ。」
「ん?何を?」
「お前、嫁さんに子供押し付けられたな?」
ギクリ…と聞こえた気がした。
「カップ麺20個って、お前の勤めてる会社が去年発売して大失敗した、ハチミツバターラーメンだな?」
ギクギク…とはっきり聞こえた気がした。
「ま、ままままぁ、それはそれとして、取り敢えず得意なリフティングでも見せてやってくれよ!な?な?」
「本当にお前はとんでもないヤツだよ……
まぁ、いい。ボール貸しな坊主。久しぶりにやってみるよ。」
案外出来るもんだなぁ…と思いながら軽やかにリフティングをする。
キラキラした目で見てるなぁ…まぁ、たまにはこういうのも悪くない。
「おじちゃん、すげー。」
「だろー?アイツ元々サッカーしててさ、上手かったんだよあーいうの。」
「パパよりすげー。」
「なななななにおう?!!パパだって!パパだって!そのボールを貸せぇい!!!」
迫ってくる友人からボールを守り抜き、坊主にボールをパスしてやった。
あぁ、こうやってはしゃぐの、いつ以来だろうなぁ。
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