怠惰―惰性と堕性―

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…………………………は? 俺が死んでる?コイツ一体何を…… 足は付いてるし怪我一つない。健康そのもの…… 怪我一つない?事故の余波で吹き飛ばされて? 喉が急速に干上がる気がする。 頭がぐわんぐわんとする。気付きたくないのに頭は回転し違和感を炙り出す。 ?この世のモノに触れない鬼を殴ろうとして受け止められたこの拳は? ?何故か傷一つない身体は? ?こんなにも太陽を浴びてるのに影がないこの身体は? 「やっとお解り頂けましたか?」 鬼はニコリと笑い俺の肩を掴んだ 「元から目標は貴方がメインで残りの2人はサブターゲットなのです。」 つまり…………俺がいなけりゃアイツらが死ぬ事は 「何を考えてらっしゃるか解りかねますが、一言。その他2名は貴方さえいなければまだまだ死ぬ必要はありませんでしたよ?」 ドクン と心臓が脈打つように胸が痛んだ。 俺が生きてたから 俺が怠惰に身を任せたから 分不相応にも人の為になれると思ったから 助けたいなんて思ったから 「おや?もしかしてまた、自分の汚い部分には目を背けて綺麗に誤魔化して自己嫌悪風に自分を守ってらっしゃるのです?」 「なん……だとテメェ!」 「貴方が友人をここまで誘導して殺したのは貴方が良い事して気持ちをスッキリさせてこれからまた醜く生きようとしたからでしょう? 助けたかったとか思いました?人の為にとか思いました?自分の過去のせいや、気持ちのせいにしました?御冗談を。貴方はただ自分が可愛いだけでしょう?」 鬼はニヤニヤと笑いながら言い放つ。 言い返せない。そんな事ないと喉まできて放てない。 そんな……けど……だって…… 何か言い返そうと考えていると、足元がぐにゃりと歪んでいく。 ズブズブと、まるで底なし沼のように沈む。 「ようやく始まりましたか。」 「なんだこれは……一体どうなってやがる!!」 「地獄に落ちる。ですよ。簡単に言うと心に恨みや後悔、憎しみ等が積もると心が重くなります。 その重みで地獄に行くのです。 つまり心が軽ければ上に登り天国へ逝くという訳です。」 「なんで……!!なんで俺が地獄に!!どうして俺だけ!!」 「おや、やっと人間らしい汚い思考が表に溢れてきましたね。 では、初めてお会いした時の言葉をもう一度。」 「怠惰は罪ですよ?お兄さん?」
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