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くつくつと嗤う鬼。
心に汚れを。恨みを、憎しみを。
「持ち上げてから落とす、人間の魂はどうしてもコレに弱いのです。どれだけ理性を働かせようが恨み辛みを瞬時に落ち着けて冷静に、なんて無理な話。」
もはや高く掲げた右腕のみが鬼を掴もうとグルグルと空振りを続けていた。
ふぅ、と一息吐いた後。
鬼は無様な右腕を踏みにじり堕とす。
後に残るのはひしゃげた遊具、炎上するトラック。
哀れな肉塊3セット。
「全く、大罪の一つを極めた極悪人が今更縋ろうなどと。人間であるうちはまだ取り返しがついたかも知れませんけどね。目を付けられた時点で救いなどないのですよ。」
くつくつ、くつくつと鬼は嗤う。
くつくつ、くつくつ
くつくつ
くつくつ
くつ
……………………………
怠惰(惰性と堕性)―完―
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