幽愛

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「ねぇ、聞いてるの?!私はもう疲れたのよ!!」 おっといけない、頭で考えて言葉にしてなかった。 「すまんすまん、疲れたなら風呂に入ってさっさと寝ろ。寝不足で倒れんぞ?」 流石に1時間も電話で愚痴聞きすると疲れるんだよなぁ。明日も仕事だし。 「冷血ー!人でなしー!死んでやるー!」 「電話の終わりにそんな事言うなよ、メンヘラかお前は」 「もうヤダ…手首切る…」 「浅めになー。傷跡残ると将来しんどいぞー?」 「そんな言葉求めていない!!!」 知ってるよそんな事。 「ほら、俺ももう寝るからさっさと寝な。じゃあな、おやすみ。」 「あー!!腹立つ!!知らないよもう!おやすみ!!」 そこは素直に寝るんだな、と思う。 通話が切れた後、アラームを掛けて目を閉じる。ずっと愚痴聞き役をして、友達でいて、これからもそうなんだろうな。踏み込んで壊れるくらいならこのままの方が良いかもな。けど、いつかは。そんな事を思いながらゆっくりと意識は底に沈んでいった。
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