9話

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薄暗いからほぼ真っ暗状態になった部屋の中 カーテンが開いているから、わずかに外の光が入るが、まあ6階だしな。 入るっていうか光がみえるっていうか。まあでもないよかましか 「おせー。今何時だよタバコ吸いてー」 先ほど思い出した携帯の存在を探してみたが見当たらねえ 多分持って行かれた でもタバコくらい置いてけよなー 「あ”ーー」 壁掛け時計があるけど、針がよく見えねぇ でも多分7時は過ぎた、と思う。 半くらいかな 「はーらへったー」 てか喉乾いた。夏だったら脱水症状おこす いや今の時期も十分暑い方だけどな 「あー…早く帰ってこいよ…………」 暇すぎてだからなのか、やっぱり脱水症状ぎみだからなのか、ふかふかのソファーに顔をうずめながら思わず変なことを口走ってる これならガチ囚人の方が暇じゃないだろうよ… 一応鎖を外そうと思って手元の方の鎖いじってみたけど駄目。 足だけでもと思って鎖の元を見てみたら、壁になんか出っ張りがあってそこに括りつけられてた。 これ自分でネジで出っ張りつけたんかな…マンションとかってそういうことしていいのか?っていうくだらないことを考える始末 おれいつも一人で何してたっけ…だいたいは、昼寝とかして、あとは適当に散歩して、猫とか犬とか愛でて、そしたら絡まれてケンカして…ケンカしてケンカ…で家帰って飯食って寝る。あ、家にあんましいねーのか。だから暇なんじゃね それに…うち帰ればうるせーの2人いるしなあ…最近は学校でも朔夜がそばにいるし、蓮も絡んでくるし、なんだかんだで一人の時間少なくなってんだ… 自分でも気づかないうちに物思いにふけっていると、ビリリと腕の古傷が痛んだ もう一度上からその傷をなぞって切りつけられたような痛み。 過去の痛みがよみがえる どうしてあの人はーーーー ガチャン 「たっだいまー…ってなにぼけっと自分の手眺めてんの?外す手段でも考えてんの?」
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