第二章 物語の始まり

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第二章 物語の始まり

「ここが呉か、、、、」 それが第一声であった。呉鎮守府において近衛艦隊として東海地方から中国・四国地方の防衛を管轄するというのが表向きの職分であり、裏の任務、すなわち「他の近衛艦隊司令長官を監視、反政府的思想が見られた場合速やかに「処分」する」というのと比べても十分以上重要な職分であろう。先の深海棲猫重爆撃機による絨毯爆撃により壊滅したとはいえ工業地帯の中心にして、日本の産業の中心部と日本第二の都市大阪に加え第3の都市名古屋に責任を持つというこの職務は決して軽いものではない。そして彼は着任するきっかけとなった事実を思い出していた・・・・・・・・・・・・・。 防衛省情報本部局長の前原四郎に呼び出された時だ。それまでボクは幹部会ないし査問会と呼ばれるグループ一派の情報分析を局内部でさせられていた。部屋に入った時にまず僕は気付いた。本来の担当である内部事案本部長がいないこと。普通は任務には関連しない特別監査室室長の真田三郎がいることである。 水戸嶋「近衛艦隊への着任?なぜ僕が・・・・・・・・・」 局長「適合者が少ない・・・」 水戸嶋「そういう建前はいいですから」 局長「第一段階は合格だな。いいだろう単刀直入に言う。局内部の不平分子および汚職者が例の一派とつながっている可能性がある」 水戸嶋「つまり・・・・・」 局長「表向き君の曲における任務内容は近衛艦隊の思想調査であるが・・・・・・裏はそういうことだ」 水戸嶋「本来の担当である内部事案本部長の芹沢がいないのは・・・・」 真田「身内の恥で恥ずかしいのだが・・・・・・幹部のみならず特別監査室も信用出来ない。注意しろ」 水戸嶋「分かりました」 そして後日料亭に呼び出された時、内部事案本部長芹沢の呼び出しを受けた 芹沢「この国は腐ってる。利権同士の対立で動けない政治屋どもに与党たたきでお茶を濁す似非ジャーナリズム共、世界を見てもそうだ。大国のメンツやらで初期対処ができなかったせいで深海棲艦は勢力を伸ばしている。この国は叩き直さねばならない・・・・・(略」 (相手も僕が何をしてどういう立場か把握している。つまりこの接触は説得のため?それとも陽動?なんのためなんだ・・・・・) 水戸嶋「なるほど、それでご用件というのは」 芹沢「いや、単に就任祝いをしただけだよ。君のために第一種指定空港まで作ったんだからね^^。努力してくれたまえ」
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