第一章 滅亡への交響曲

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超法規的措置が容認されたこの機関は、それだけに非合法な活動が訓練から容認され、万が一にも公的手段で対抗しようとしたならば「事故」という形で処理されてしまうような世界であった。 そしてそんな世界においてCPOBの失敗を知る人間は厄介者としてあつかわれ、その対処の意味も含めて長期潜入任務をさせることで動きを封じるという上層部の思惑により、またカバーストーリーの人生と戸籍と一流の能力を持つ軍人であった僕は、扱いかねていた情報本部から表向きは出向の形で、その実近衛艦隊の調査と動向報告を命じられ、近衛艦隊の1司令官になったのである。  唯一無二の親友である紀伊をスパイするのかと問われたらその通りかもしれない。僕自身はなるべく緩衝材になり、上が判断を間違わないように情報を取捨選択して渡すことで守ろうと考えていた。最もこれがためにメンタルチェックでは一時期危うい状態であったのだが・・・・・
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