標的─1
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右の拳に溜め込んでいた気の塊を静かに放出すると、 人差し指でメガネを押し上げる。 白衣の男は笑みを浮かべたまま、 シッシッと手を振った。 「そのまま帰りなよ。 彼等もそのうち目が覚めるだろうから、 うちの連中に任せておくよ。 怪我してるようなら手当てもしておくからさ。 ただし……」 一息置いて、 白衣の男は正面に立つ男を見据える。
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