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「小日向(こひなた)博士。
知らないとは言わせないわよ?」
「いつ……」
「半年程前かしら」
「半年!?」
男は驚きに目を見開くと、
急に声を荒げて女に詰め寄った。
肩を掴んでガタガタと揺らす。
「なんでもっと早く教えてくれなかったんだ!?」
「掴んだのはほんの少し前。
外部だって広いんだから、
そんなに怒らないでよ。
これでも大急ぎで持ってきたんだから!!」
「──っ!!」
女の叫ぶような声に、
男は一瞬息を飲んだ。
彼女を責めるのがお門違いである事が分からないほど、
彼は馬鹿では無い。
「悪い……」
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