標的─1

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  「教えてくれてありがと。 こっちも何か入ったら教えるよ」 「……“ZERO”を動かすの?」 「そのつもりは無い。 無関係だからね。 ただ個人的には放ってはおけない、 かな?」 「ねぇ、 アンタと博士……何してたの?」 「君は情報屋だろう?」 「そうだけどアンタ達の情報は入ってこないのよ、 不思議な事に」 「誉め言葉と捉えておくよ」  腑に落ちない様子の女をその場に残して、 男はヒラヒラと手を振って歩いていく。  歩きながら、 彼は考えていた。 思い出すのは博士の事と、 過去の過ち。  過去の事は、 決して公にならないようにしなければならない。
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